クソ仙人の邸宅の周りにいつの間にかテープが巻かれている。
立て看板には近寄るなと書いてあり、生物災害マークがあちこちに踊っている。
近寄ったら死ぬってわけじゃないと思うのだが、彼女のペットに対する管理体制が
あまりに酷いと周辺住民から苦情が着ていたのも確かだったので、ここで
きつい展開になるものと推測する。
小兎姫が久々の婦警姿で笛をピーピー鳴らしながら周辺に妖怪が近寄らない様に
威嚇していた。 この笛、普通の笛と違って幽霊や妖怪たちによく聞こえる様に
チューニングされているらしい。
支柱には赤色灯がくるくる回っていた。 周囲から見たら何事かと思われるだろう。
目の保養をしたところで、商品の荷下ろしをやろうとしたら、戦車つきの里香女史に
ここに下ろせと指示された。奥まで入らないで済む分楽だが厳戒態勢過ぎる。
ヤマメ女史が、背中にタンクを背負って洗浄液発射ノズルをもって移動している。
その後ろを対BC装備をした妖精たちがぞろぞろ追いかけている。
シュールすぎて思わず噴き出してしまう。
事情を説明するとこうだ。先日の雷獣脱走で博麗神社の周辺に住んでいた
妖怪たちが被害を受けた。 妖怪の数は相当数に及び、中には精神体そのものが
崩壊寸前に陥った妖怪も居て緊急医療に多くのスタッフを派遣することになった。
被害にあって動ける妖怪たちは薬屋の元へと殺到した。
トウモロコシ由来の有効成分はあっという間に在庫が底をついたが物がくるまでは
時間が掛かるので、その間は対処療法で済ませた。
結果、余計な薬が必要となり大損害となってしまったのである。
しかも危険を察知したクソ仙人が逃亡。捕り物騒ぎにもなったとかで
最終的に被害額については100年ローンで返済という運びになったという。
ヤマメ女史はそれでも大赤字と憤慨していた。
で、私が運んだ物はというと、所謂ペットを閉じ込める結界を生成するテープで
まあ言うなれば檻である。 困った物だ。