□月 ●日  No2140 出入り禁止


最近北白河がパチンコに入り浸らなくなったと聞いていろいろな意味で意外に思う。
なんでも行く先々でお断りされてしまうのだとかで本人もなぜそうなるのかいまいち理解できていないらしい。
本当にそうなのかということで朝倉とかとみんなで行ってみるとやっぱりダメだったりする。
なぜか自分までブラックリストに入れられている事実に戦慄した。
いや、申し訳なさそうなお店の人を前にすると流石に文句を言う気にはなれません。


一応北白河に椅子もって暴れたかどうか尋ねたのですが、そんなことは一切していないという。
いや、むしろ自分自身までブラックリストに入っていたのには驚いた。
朝倉も同席した岡崎までもである。 岡崎は相当嫌がっていたが、彼女ですら入れないとはどういうことだろう。


よせばいいのに朝倉のアホがコスプレをして突入してみた。こうなると他人のふりをするしかない。
たぶん鴉天狗の服装だが、それを顕界でやるのは一種のホラーだ 幻想郷でもホラーだが。
数分後、すごすごと帰ってきた。やっぱりだめだったらしい。


ボスに話を聞いてみる。会社としてパチンコ禁止令は出ていないらしい。
何か事情がありそうだと思って、たまたま近くに滞在しているという糞狸を呼び出してカラオケショップで
歌いながら事情を聴くことになった。 


糞狸は煙草をふかしながら「あーあれね」というと事情を説明してくれた。
どうも親方日の丸のほうで色々あったという。そもそもこの件の音頭を取ったのは霊能局だとのこと。
実は妖怪たちのゴト行為が日常化しているうえに乱数まで改ざんさせられてしまうらしい。
確かに現在のスペルカードではコンピューターの動作を狂わせる「TASシステム」という朝倉が開発した
カードがあったと思う。 ただし、ノイズ対策をきちんとやっているコンピュータなら狂わせる内容は
限定的であり、コンピューターを恣意的に動かすことは困難として導入を見送ったものだ。


つまり問題はこうだ。玉が全部あたりの場所に入られてしまう。玉の数だけスロットが回されているうえ
乱数までいじられる。 それでは確かに悪夢以外の何物でもない。
実のところ、妖怪たちのシノギに使われている部分があって違法就労や違法滞在の原因にもなっているとのこと。
業界団体としてどうにかして彼らを排除したいというのだろう。


そんなわけでとばっちりとばかりに我々もがホールから出入り禁止食らったということになる。
北白河の肩が震えていたが、これも機会だし素直に合コン入りびたり生活から脱却していただければと
おもってやまない。