□月 ●日  No2141 暑さと幻想郷


幻想郷という世界において高温対策というのは色々どうしようもない部分がある。
あまりに高温なら雨を降らせばよいかもしれないがそんなことをしたら秋姉妹が許さない。
かといって極端な高温はそれはそれで苦情が来るというので、これがいろいろ面倒なことになる。


この時期妖怪は高所を目指す。高いところにいれば輻射熱を受けにくくなるためであり紅魔館近くの湖の
上で飛行するのが人気スポットとなる。
ここで気を付けないといけないのが脱水症状。当然妖怪たちもご多分に漏れない。
妖怪たちは常時、竹や瓢箪の水筒を所持しているのである。左右に数本 合計2キロ程度はある計算だ。
当然飲む順番はある程度決まっていて、順番通りに飲まないとたちまちバランスが崩れてしまうことになる。


また、水筒の安全性も問題であり、口に一度つけた場合は可能な限り数回で飲みきる必要がある。
これは口に着けた場所が雑菌まみれになるからである。 可能ならストローなどを使いたいがそうもいくまい。
そんなわけで幻想郷住民としては、この脱水症状についてかなり警戒している。
脱水症状になると確実に墜落必至となるからだ。


幻想郷では夏の炎天下で弾幕戦を行うことが規制されているという。
誰かが言うわけでもないがおそらく博麗の巫女がこんな暑い中でやりあうのは真っ平ごめんと言ったのを
皆が無言で批准したからだと言われる。
やりあうのは日が落ちる時間か早朝が多くなるらしい。


実はこのルール故に弾幕が発光するようになったという有名な話がある。
最初は誤爆防止だったと思うが、見た目でもきれいであり評判がよかったとかで瞬く間にISO認定が下りたらしい。
(このころになると弾幕規格にISOがしゃしゃり出るようになった)


そんなわけで夏の弾幕戦はまるで花火のような美しさとなり、夏を彩るモニュメントとなったわけである。
たまに変なものがおちるがそれはそれで。