□月 ●日  No2142 スペカ普及の裏事情


弾幕戦をフェアに行うための仕掛けとしてスペルカードシステムの標準化が行われていることはすでに
説明したとおりである。 国際標準化機構(ISO)がこいつに口を出してきたということが分かったのは
我々がつかう疑似スペルカードにISO認証が書かれているからだった。
どうもここ、それなりに強力な契約という名の謂れを作ることができる幻想郷に片足突っ込んだ組織であるらしい。
要は箔をつけるようなものである。


弾幕戦の標準化は、博麗霊夢が異変解決を行った時から待望視されていた。
実はあの当時、博麗霊夢に挑戦しようとしても途中退場してしまった妖怪が結構な数存在していたらしい。
本来なら魔界住民の多くが彼女に攻撃をしかけてもおかしくない状態だったのに、なぜか満足に戦っていたのは
本当に少しの魔界住民だった。
結局弾幕戦を行うにはハードルが高すぎたのである。


スペルカードは誰もが安全に弾幕戦をする意味では重要な仕組みである。
もっともそれなりに強力な能力をもって、それを保険にするという条件付きのことである。
実はスペルカードシステムは想像以上に余裕のある設計をしているのだ。
そうでなければ普及しなかったというのはある。


ISOのおかげで得たことは、取扱説明書の標準化である。
おかげで魔界人たちが使う言語から現代語訳まで複数言語のマニュアルとリファレンスがつくことになった。
稗田阿求にはこの件についてずいぶんと協力してもらった。
天狗たちにも人海戦術でこの難しい問題を解決してもらっている。


それでも高機能化 違法改造に走るものもいる。
霊能局の連中や命蓮寺の連中は違法改造したスペルカードを追認してもらっている。
そうでなければ雲山のような大容量弾幕を扱えるわけがない。 あれは雲山というサイズ変更ができる妖怪が
絡んでいるから可能であった。 実は技術面ではムラサ船長の碇のほうが難しいようだ。


そんなわけでスペルカードというのは常に進化を続けているが、まあ結構泥臭いものだと思う。
それにしてもずっと謎なのは キョンシーにどうやってスペカを使わせていたかということだ。
実は御札の裏にカンニングペーパーが張られていたというオチが付くのだが、結構大変だと思う次第である。