□月 ●日  No2651 スペルカード開発にあたって


 スペルカード開発というものは一種のプラント設計みたいなものでありまして、大きなミスを犯すとあっという間に
 命取りになるという恐ろしいものであります。
 なので、スペルカードシステムというのは大量のフェイルセーフで成り立っており、出力の大半は
 フェイルセーフによって賄われていると言っても過言ではありません。

 
 昔、カードが使われなかった理由というのは、ハードウェアの限界でフェイルセーフを増やせば増やすほど
 戦闘能力が下がってしまうというものでした。
 結果弾幕はとても危険なものになっていました。
 この問題を解決するきっかけとなったのは実は岡崎夢美です。彼女が現代のプログラム技術を弾幕生成に持ち込んだのです。
 彼女の弾幕は現代から考えればとても拙いものでしたが、それでも当時の妖怪にとっては驚きと脅威をもって
 迎えられました。それ以降、朝倉を中心にスペルカード開発の仕組みは大きく進行したと言われます。


 現代のスペルカードでは徹底的に術者の安全が図られます。
 そのためプラント設計に必要な仕組みが採用されています。 
 ヒヤリハットってのがありまして、基本的に問題の端緒を取り上げることで、その後に訪れる問題を未然に防ぐというものです。
 これ、八雲商事だけではないのですが、とても重要なポイントが有ります。
 ミスするなというシステムを採用してしまうとヒヤリハットがただの減点システムになって本来の能力を発揮しないというものです。
 

 これはひとつの例ですが、スペルカード開発には外の世界のノウハウを投入するようになることで
 安定性と、殺傷力を大幅に向上させるることに成功したと言えます。