□月 ●日  No2436 幻想世界の修理を考える


外の世界の物資を運ぶと言うのは意外と難儀な部分というのがありまして、どの辺のレベルの商品を
幻想郷に送るのかがとても議論になります。
たとえば幻想郷で物を修理するとなると、材料をどこで仕入れるのかというのが問題になりますが
部品工場のすそ野が狭く、品質や精度が低くてハンドメイドに頼るしかないという問題をしばしば聞きます。


中には修理部品を顕界のメーカーで保持してもらっているというパターンもあります。
半世紀前の部品が保持されているとしたらそれは幻想郷からお金が入っていると考えても
間違いないかと思います。顕界でも幻想郷と同じように修理に関してニーズが存在するのです。


壊れた機械を河童が修理すると言うシチュエーションがありますが、彼女たちであっても万能ではありません。
最近はパーツそのものがモジュール化、かつブラックボックス化されている上に部品が
微細化しているのでそう簡単には直せないという事実があります。
それでも比較的顕界よりも有利なのが、魔術の力で部品を交換する手法が存在することです。


部品展開図を確認しての作業となりますが、最近は比較的部品展開図が入手しやすいとあって
そのような修理方法をとることも少なくありません。といいますか、そうでなければ無理って
場面がかなり多いです。ピンセントですらつまめないような微細部品が絡むと妖怪と言えど
自分で作業するのは不可能です。魔術を使った部品組み立て手法があるからこそ
河童たちは一応顕界の部品を交換できるということになります。
ではこの技術、顕界で応用できないのかと言いますと、全く駄目です。
この技術はあまりに属人的すぎるのです。なかなかうまくいきません。


そんなわけで、ある程度部品の修理を見越した幻想郷輸入を行う中で最近では途上国向けの
商品を輸入する向きもあります。途上国向けではコストが削減されている他
部品点数の削減や修理可能な構造を選んでいるからです。
このやり方の難点は自称現人神や傘お化けあたりからクレームがくるってことです。
なかなか難儀ってことですね。