□月 ●日  No3023 妖怪特区


 この世には妖怪たちが住む特区みたいなところがあるというというのは、妖怪あいてに商売を
 行う者の常識でもある。
 それでもあまり問題にならないのは、彼らが年齢を問わない労働力であること、そしてなんだかんだ
 で税収に寄与していること、何より見た目から行動に至るまで常識的であり、トラブルを
 起こさないことが挙げられる。ある意味移民問題の延長上に彼らはいるということだ。


 妖怪の中には政治の中にいるものもいるが、彼らは表に出ないで大体裏方に徹することが多い。
 即ち秘書とかになるわけだが、よっぽどアホでない限りは文句は出ない。なにせ
 彼らの支持に従っていたほうが何かと上手くいくからだ。
 人間の尊厳はないのかという意見もあるが、そんなことを云う奴は余程の馬鹿だ。
 大体は札束で黙るのがパターンである。


 妖怪の大体は、圧力団体の姿を借りていることが多いことが知られている。
 大体は表向きの活動があるのだが、その実はってことが多い。
 有名ないくつものの圧力団体の資金源を洗ったら一箇所に集約されているなんて
 ことはざらという有り様だ。


 このように現代において妖怪と言われる者はうまい具合に地上に適応していると
 言えるだろう。私もまた、彼らが作る業界のおこぼれに授かっているのだから
 そこはありがたく頂戴するに限る。