■月 ●日  No5156

 今回香霖の店に立ち寄ったのには理由がある。
 月面人が使用できる兵器群のうちいくつかを我々が使えるように
 カスタマイズした代物が到着したので、こいつを届けるためだ。
 今後のためだが、使いたくないもんでもある。
 本人以外に利用できないようにもしている。そうじゃなきゃ
 霧雨のご息女に拿捕じゃなく盗むじゃなく まあ色々されそうである。

 こいつの効果は対人戦オンリーである。妖怪相手には全く
 役に立たない。てか銃全般があまり役に立たないともいう。
 ちょっと射線を崩せば当たらないとわかればいくらだって
 対処の仕様がある。つまり弾幕よりも密度も低い単発兵器など
 あまり妖怪退治に役に立たない。役に立つのは榴弾とかの類である。

 こんなあなたにスキャッターライフル、まあ言っちまえばショットガンの
 ちょっと高精度な奴。てかショットガンのメリットあんまりねえよなって
 代物でありまして、相手の運動能力だけ奪えば十分と言う
 まあ護身用兵器である。

 だが月面製なので命中精度は折り紙付き、多少のずれは自動標準する。
 その意味ではかなり強力。たぶん。

 ここまで説明したところに噂をすれば影である。
 あのクソ魔導士である。早速こっちが持ってきた杖に見える何かに
 興味を示した模様。ただの飾り程度の使用方法しかないって
 説明しようとしたら。

 なぜかスキャッターライフルがアクティベートしたじゃないですか。
 ああ、これ認証ザルだわ。って気づいた時には遅い。
 幸いなのが空チャンバーだってこと。攻撃のため変形したライフルは
 やっぱりもっていかれたのでありました。
 あとで苦情出すよ。


      

 

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