■月 ●日 No5228
霊能局の小兎姫は化け物である。というかそもそも人間ではない。
という事実を知る者はまああんまりいないと思う。
彼女の外見はほぼ隠ぺいされているし、実際岡崎教授と初遭遇したときですら
リミッタを切ってなかったらしい。まあ切ったら彼女を確実に殺していたと思うから
当たり前なのだが。
ちなみにリミッタを切ってるところは何度か目撃している。
だいたいは出勤時電車やバスに乗り遅れたとき、キセル乗車している時に
発覚する。正確には入口を経由しないで電車に乗ることがしばしばある。
まず鳴っている踏切内に侵入し、人身事故一歩手前で
位相空間を捻じ曲げてそのまま列車に乗るのだ。普通に考えたら
慣性の法則で体が電車内で吹っ飛ぶが、それを自分の飛行と
満員電車の肉壁でカバーするというなんとも迷惑な存在なのだ。
このあまりの狼藉に朝倉がついにキレた。
というか、普段二人でつるんでいるためか、朝倉が非難の対象になった。
どうせ二人で呑んでいて遅くなったんだろうってことになったのだ。
先日列車に急ブレーキ掛けさせたんだから当然である。
何人か怪我をして、内々で処理をしたのだ。
なんで知っているかって、このせいで会社に遅れて遅延証明貰ったからだよ。
んで結局どうしたかっていうと、朝倉が車で送り迎えすることになった。
局長が、交通費を払うという提案を受けた形である。
まあ交通費と言う名の資金供与なんだろうなとは思う。
櫻崎さんがバイクが最強と宣わっていたが全力でスルーした。