□月 ●日  No2133 おいそこは轢かれる場面だろ


幻想郷にいた妖怪たちが顕界で活動できるようにするためにはとても大変なリハビリ行為が必要となる。
ここでは実際に起こったリハビリ行為がどんなものか紹介しよう。
朝倉理香子。永遠の27歳。 交通法規が解らない朝倉のために用意したのは自転車だった。


まずは自転車に乗れるようになって それから原付バイク そして自動車へとステップアップするという
流れである。 普通なら小学生のような話をわざわざやるしかないというところは幻想郷出身の
妖怪なら必ず通らないといけない道である。


当然朝倉は自転車に乗れない。自転車に乗ることが一苦労だ。慣れるまで時間がかかる。
思い切って漕がないと前へ進まないのだつい躊躇ってしまうのだろう。
転びそうになると反射的に魔術を使うのもよろしくない。
さらに、問題となったのが交通法規である。 なぜ右方向を歩くしかないのかから
信号機の意味まで説明しないといけない。
彼女を交差点に送り込むと、まず間違いなく無事では済まない。 車が。
朝倉は車にひかれてもたぶん列車にひかれても吹き飛ぶのは相手のほうだろうと思う。


シミュレーターを使えばいいという話もあるがそこまで単純じゃない。
シミュレーターはシミュレーターの画像だという認識がなければとても危険だ。
中で暴れまわってはどうしようもない。
そこで射検場をまるで小学高の交通法規学習場所に改造(といっても信号を置いてラインを引いただけ)し
練習をするようになった。今ではきちんとした信号機と、横断歩道とかが用意されている。
もちろんマジな話だ。


教本を読んでみる。一ページ目で頭がくらくらする。
車にひかれるときはダメージ軽減魔術を使うこと。車には素直にひかれること。
車を吹き飛ばしたり破壊してはいけない。 と書いてある。
マジである。


こうしてスパルタ訓練の後、朝倉は無事自動車の運転免許をとったわけだが。
運転方法がまんま主婦のアレでありことあるごとにブレーキを踏む迷惑運転であることは
言うまでもない。
余談だが、隙間妖怪はスポーツカー乗りでスピード狂である先日違反切符を切られて
教習場へ行っていた。