■月 ●日 No5633
聖徳太子様の塔が一気に劣化しており、修理が必要になっている。
もともとこの塔は本体保存のために中の住民まるごと時間を止めて保存していたこともあって
それ以降は劣化がかなり進むことは想定していた。そこで建築家をはじめとして
いろいろな連中をここに連れてきて補修計画を立てているんだがこれがあまり
うまくいかない。正確には補強するだけならまだ簡単なんだが、そこに魔術的な
要を放り込んでいるのがよろしくない。
いや構造的に有利だからここに打ち込んでいるのではということで
仕方ないから専門家を連れてきた。構造設計一級建築士のまな板だ。
小兎姫に言ったら簡単に借りれた。なんでも彼女はしばらく
小兎姫と顔を合わせたくないんだそうで、仕方ないのかもしれない。
霊能局って働きやすい環境なのかと尋ねたら「ぼちぼち」と言われたので
たぶん環境はよろしくないとみている。
だってあいつら俺たちより給料いいんだよ。
妖怪相手の商売であいつらはカースト最上位だよ。
朝倉みたいな研究やりたい奴は民間に降りるけど、そうじゃなきゃ
霊能局いくよ。ただし相当頭良くないとダメだし、インテリな妖怪が
ひしめき合ってるらしい。そうこうしている間に構造計算を済ませて
工事の計画を立てている。
相手が墓石みたいでやだというから完成予想図を見せたが
だめだこいつ、この幻想郷にモダニズム建築建てようとしてやがる
この人間を全く考えないデザイン全振りのたてものを建てようというのか
マジか 本気なのか