■月 ●日 No6000
株式会社八雲商事は実質半官半民の企業である。主な業務は幻想世界との貿易や物資輸送の類である。
これは隔離空間はなんだかんだいっても外部の世界から物資等の補給を受けないと破綻するためである。
たとえば、海がなければあっという間にミネラル分の不足が顕在化する。不足を補うために山火事を起こして
灰からミネラルを取得する話もあるが、これだって、台風などで塩分が熱帯雨林に補給される前提が
成り立ってはじめて利用できる。
魔法でどうこうする手段もあるが、はっきり言って外の世界から補充したほうがずっと効果が高いのが
事実だったりする。
輸送方法は主に鉄道だが、運河の類を使用する場合もある。いずれにせよコンテナ輸送であり
払い下げられた気動車を改造して使用している。つまり列車はぼろい。
幻想郷の実情としては、ただの未開の出張先である。インフラが弱い途上国に異動している感じである。
それすらも昔の話で、一部市街地や当社施設などは近代的インフラも利用できている。
皆が思うよりも幻想郷は近くにある。しかし、同時に遠くにあるともいえる。
私から言いたいことは山がちであり、体を鍛えないと移動困難、というかまともな道がねえ。
肝心の妖怪たちが空を飛べるからインフラ補強しようっていう動機が足りてない。
道路を作ろうとすると環境がうんぬんかんぬんって言いだす。顕界から知識を仕入れたためだろうが
はっきり言ってめんどくさいことこの上ない。だって、根拠を述べてもベースとなる科学知識レスだからお気持ち表明になるのだ。
皆が思う以上にここはめんどくさいところなんだ。