■月 ○日  No440 カミ様というものは痛いものだ


自称現人神と神社のおねえさんたちが妖怪の山にやってきて、2ヶ月が経過してしまった。
来月には神無月がやってきてしまうので、それまでにはある程度
信仰に箔をつけてやらないといけないのである。


11月といえば八百万のカミが出雲大社に集まる日である。
その時までに精一杯信仰の化粧してやらないとさすがに今のままで
大社に送るのは気が引ける。
そこで手っ取り早く信仰を引き上げる手だてを社内で考えることになった。


信仰集める手っ取り早い方法はまず奇跡を起こすことだが、
幻想郷ではちょっとした奇跡は日常茶飯事、派手に立ち回るとあっという間に
博麗の巫女にばれる。よってこの作戦は没である。
魂魄が「巫女様とは元来、住人たちの性」と言ったところで北白河印パイプ椅子の
直撃を受けて沈黙した。
結局、朝倉の冴月に信仰が集まるように導いてもらうというプランが採用された。
冴月は妖怪であり、「導く程度の能力」があるといわれる。


例の神社に到着するまで冴月は無言。嫌な予感がしていたが、到着したら
真っ先にケロちゃん帽のカミ様と口論をはじめてしまった。
私と自称現人神はただおろおろするだけである。おねえさんは何故か他人の振りをしていた。


実はこのカミさま二人、痴話げんかに周辺住民を巻き込んで戦争を始めたのだが
鉄の武器を持ち込んで戦争を凄惨なものにした挙げ句、飽きたらさっさと仲直りして
戦争の当事者である住民をほったらかしにしたらしい。
カミ様同士のトラブルではこういうことがよくあるのである。 
その時事態の収拾に当たったのが冴月だったらしい。


喧嘩しているふたりは無視しておねえさんに事情を説明することにした。
するとおねえさん、突然自称現人神の巫女服を着がえだした。 何をする気だと聞くと
「巫女様とは元来、住人たちの性」と言ったところで冴月の暴徒鎮圧弾とケロちゃん帽の
カミさまのドロップキックを喰らい沈黙した。
もうどーにでもなーれ。