□月 ●日  No1021 妖精達から異変をひもとこう


幻想郷に住む妖精。所謂自然現象がシンボライズされた存在と言える。
それゆえ、外見に騙されて痛い目に遭うものも多い。 従って基本地元民はむやみに近寄らない。
さらに異変発生時は平気で人に襲いかかってくる。 里の人間は襲わないという基本的ルールは関係なしである。


うちの会社の場合、妖精の行動から異変発生警報が飛び出す。
警報発生時は当該戦闘区域への立ち入り禁止、迂回ルートの構築などがなされる。
妖精への商品取り扱いも一時停止となる。


もっとも実際問題として、妖精が襲ってくるよりももっと危険なのは博麗の巫女たちデストロイヤーどもである。
白玉楼を舞台にした異変の時、たまたま近くを通りかかったら、いきなり目の前をナイフが飛んできて肝を冷やした。
ちょっとずれていたら、確実に冥界勤務に回されそうな勢いだ。
朝倉がつけろと煩かったフルフェイスのマスクがあれほど心強いと思ったことはない。


妖精は弾幕にある程度の指向性ががあるが奴らときたら無差別に弾幕をぶっ放す。
彼女たちとしてみれば、多数展開している妖精を打ち落とすのだろうがそれにしても危険だ。
さらに連中が通った後も酷いことになっている。
メイド長の場合は途中で拾っているらしくまだマシだが、酷いケースだと田畑にクレーターが出来たって話も聞く。
あまりに苦情が多かったので、あの異変以後畑の上で戦闘するのは禁止になったそうだ。
旧地獄市街ではお祭り騒ぎだったそうだがそれはそれであろう。


おさらいとなるが、うちの会社の場合、私みたいな非戦闘部員はそれなりに強い妖怪や言葉が通用する妖怪、
人間たちを担当することが多い。
意外と思われるかも知れないが私みたいな人間が大物妖怪と接することができるのは、言葉が通用しない奴と接するのを
避けるためである。 逆に戦闘能力が高いメンバーは妖精や割と知能が低いとされる妖怪担当となる。
中には理屈は通じるが理不尽な要求をしてくる困った奴がいるが。


私に言わせれば妖精は欲望に忠実な分、割と簡単に買収できると思っているが、
どこまでも貧欲に要求してくるから駄目だと朝倉に警告された。