霊能局の局長が大師様に会うのだそうで、厳戒態勢が敷かれる。
久々に霊能局の面々と会ったが連中は相変わらずのようでなによりである。
小兎姫から聞いたのだが、霊能局は大師様の意志を継いだ組織なのだという。
一度は大師様を封じた人間たちだったが、大師様が押さえていた妖怪たちの暴走を
招いてしまったのが始まりだと言われる。
実は、押さえていたのではなく、慕っていた妖怪が怒ったというのが実情のようだ。
しかし、妖怪たちも人間たちも考え方が変わってきた。
今では表面的とはいえ人間と妖怪は協力関係にある。 少なくても人種差別よりずっと
差別がないという皮肉な事態を生み出している。
ダウザー鼠ことナズ軍曹や一輪嬢などといった封印を免れた妖怪たちが
大師様救出に向かわせられたのはやはり膨大な予算の賜だったようだ。
恐らく万が一復活させた際、人間に反旗を翻しても十分制圧できるだけの軍備を
送っていたのだろうと思われる。
博麗の巫女が大師様と接触した際、関係者は皆ほっとしたであろう。
それにしても大師様の為の社の予算が多すぎてびっくりした。
一部でも良いから博麗神社に回してくれというべき予算だ。
なんでも神社仏閣の再生金額の相場で予算を勝ち取ったという話だが、
うちの会社で博麗神社を再建したときはもっと安く済ませた気がする。
もっとも次世代の社だけにランニングコストがかからないように特殊な材料を使った
ハイテク仏閣になることは間違いなさそうだ。
スプリンクラーまで備えた現代仏閣である。
また工期の短さに驚いた。 すでに仏閣の再建のために材料は切り出された後なのだという。
あまりに準備が良すぎると思ったのは私だけだろうか。
この計画書に感激していたのはムラサ船長である。
大師様の意志が成就されたとおいおい泣いていた。
そんなに上手く行く者かと私自身はちょっと懐疑的である。
同じ事を大師様も考えているようである。
皆に浮かれてはいけないと戒める説法をしていた。
できるだけお金を自力で稼ぐようにしたいとも言って居た。
仏閣再建にはどうも一悶着ありそうな気がする。