□月 ●日  No1812 それは墓場の近くにありました


最近命蓮寺の動きが慌ただしい。霊能局の連中の出入りも激しいし、色々な法具が持ち出されている。
まるで戦争でもするくらいの心構えのようだ。
大師様はというと一応の備えだと言っている。備えの大半は食料のたぐいでここで数ヶ月は
持ちこたえられそうな勢いだ。


それよりも洒落にならないのは霊能局が用いている幻想郷ゆきのバイパス通路が命蓮寺で見つかったことだ。
これはいったい何だと朝倉に連絡したら、ほどなくしてバイパス通路だと発覚した。
しかも相当前から開いている。 これは隙間妖怪からしても大問題と言える。


社内では大師様はホストに狂ったとか実は純情そうな村紗が夜な夜な歓楽街に出ているのではとか
ではないか。意外と一輪女史あたりがホスト狂いなのではないかとどう考えても違う方向に話が行っている。
おい、大問題ではないのかと尋ねたら知らないのはあなただけだと
言われてしまった。泣きたい。


話では所謂結界の遊びというところらしい。結界も絶対堅固とわけにはいかずあちらこちらに遊びを
設けることで少量の変化を吸収するようにできている。
逆に言うと幻想郷から何かを守るときはこの遊びの場所を監視しておけばよい。
すると、次のことがわかってくる。 
外の世界から幻想郷にこの隙間を通して逃げてきた妖怪達はまずこの命蓮寺に駆け込むことになるのだ。


あの山彦妖怪もそうした隙間からこの寺へとやってきたようである。
幻想郷にやってきていきなり最初がこの寺だったので、博麗神社と勘違いしていたとか。
酷い目に遭うかと思って警戒していたら妖怪ばかりの寺だったというオチのようだ。


というわけで戦争のような物資の移動の理由が判明。 単に食わせるべき妖怪が増えただけらしい。
粗食とはいえ食べる量は人間となんらかわらないというわけだ。


ところで、私が絶叫しないと言って泣いている山彦妖怪は何とかならんのか。