□月 ●日  No1263 地下市街の節分


幻想郷地下、旧地獄市街。
鬼たちが住むこの土地でも節分は行われる。 鬼を追い出すための祭りとして知られる節分だが
ノリの良い鬼たちはそんなイベントすらネタにして祭りへと変えてしまう。


この日地下街住人は皆思い思いの姿に仮装する。
こうすることで厄災を追い出そうというのがこの祭りの目的であるが
一応追い出すことになっている鬼たちを笑わせて悪さをさせないようにという
コンセプトらしい。
色々書いているが要は、仮装状態でお酒を飲むというイベントである。


一応鬼は内とのフレーズとともに、適当にお祓いを済ませれば
あとはガロン単位でお酒を消費する。
ただでさえ大量にお酒を飲む鬼たちがここぞとばかりに酒を呑む。
一応10両編成すべてコンテナ車&お酒満載だったはずなのに
この程度のお酒は大した量ではないというのか。


へとへとになりながら辺りを見回すと、鬼たちに囲まれて
凄い人間がいると評判になってる女が一人。
言うまでもなく浅間である。 なぜかバニーガールの姿をしている。
まだ酔いが回ってない浅間になぜバニーガールの服を着ているのかと尋ねたら
朝倉が貸してくれたという。 兎妖怪の服装だと言って渡したそうだが
着る方も着る方ではないだろうか。


大量にお酒が飲めるとわかったせいか今年は妖怪の中でも特に呑兵衛集団
天狗たちも参戦しているようだ。 こいつらは基本的に酒を嗜んでいるとは思えない
水と同じように酒をかっくらってるというのが正しい。
しかも殆ど悪酔いすることもないので、時間が来るまで延々と飲み続ける。


祭り開始から2時間後、ふと鬼たちの様子を見たら
すっかりできあがっていた鬼たちが食べるものがないのか福豆をつまみにして
食べていた。 ぶつけるものじゃないのか。


この様子を見るにつけ、豆で鬼を退治するなんて嘘なんだなと思ってしまう日であった。
そして灼熱妖怪こと地獄鴉どもが豆を拾い食いしているのは少々閉口した。