□月 ●日  No1692 幻想防災無線


朝から微妙な天気。
雨が降りそうなので大急ぎであちこち回っている。
幻想郷は舗装されていないので、いちど雨が降ると地面は酷くぬかるんで
しまう。しかし極端に抉れているところがあるわけではない。
顕界のように舗装していないところを自動車が走っているわけではないのだ。


普段は突っ込み担当でタライを落とすのに血道を開けるキスメから地下水に
関する警告がくる。所謂土砂崩れの警告である。
下に民家がある場合は当然飲み込まれる結果となる。幻想郷で発生する
事故でも決して珍しくない。


どの辺が崩れるかが判明するまでに妙に時間が掛かってしまう。
おかげで避難指示が遅れる結果となった。
どうにかして人を山麓から離すべきという話になる。
雨は勢いを増しており、今から弾幕などを使って軌道を変える時間もなさそうだ。


例の神社にいるおねえさんに土砂を運ばせる案も浮上したが、
具体的にどこが崩れるかわからなければ能力が発動しないし、
あの能力はすべてが手遅れになってからでないと意味がないと言われる。


とにかく、この場から人を離そうってことになった。
顕界なら防災無線で人に知らせるべき部分である。そこで浅間がぽんと手を叩いた。
防災無線の代わりなら命蓮寺にいた。


というわけで山彦妖怪を動員。
土砂崩れが起きるので早く逃げてくださいとアナウンスする。
あまりの大音量だったのでみなびっくりして外に出た。
作戦は大成功だったが、直後大きな土砂崩れが民家を襲った。
間一髪。


と言いたいが山彦妖怪から、たぶん私のせいで土砂崩れが少ない規模で
おこったと言われたが結果オーライなのでよしとしよう。
聞かなかったことにすれば大丈夫。