□月 ●日  No1704 移植不可能


永遠亭の修復工事 博麗神社が壊れたときのせいかは知らないが
月の力で時間を止めていた家が再び時間を刻みだしたことにより
被害が想像以上に大きくなっていた模様。
元から耐震的に無茶な造りだったのでこの際だからと、現代の技術を用いて
壁を増やす工事に着手の予定。


おおっぴらに月から建材を輸入できるとあって、月からカタログを取り寄せてみた。
実は月の都は地震大国である。我々が震度5くらいと思っている地震
しょっちゅう起きる。 もちろん震度5くらいでは月人は殆ど動じることはない。
それは地球の重力などによるものだそうである。


月の耐震補強技術を使えば大丈夫だと思っていたら、建材の多くは顕界では
ほとんど役立たずだと言うことがわかった。
というのも月の建造物は若干浮いている免震構造だったのだ。
あそこくらいの文明ならそれくらい当たり前だったのである。コストもトータルで
考えれば安いのだろう。


なら永遠亭も免震構造にすれば良いのかというとそうはいかない。
博麗神社の時はジャッキアップで行い、例の神社の時は転送時に免震構造の基礎と
ドッキングなんてことをやったが、永遠亭は構造が月仕様なので、まずジャッキアップして
根本的に崩れないかが不安というどうしようもないことに。


さらに価格がトータルコストで安いと言ったが、これは月の民の年齢が
ン千年単位であり、それを割ればの話であり、結局買うには高いって話に。


おい薬屋なんとかしろよと言いたいが彼女とて月の頭脳というのものの
専門外で生兵法かまされると、どえらいことになるわけで、結局鬼たちが出張って
工事することにする。
例の神社でさいようされたゴム製免震構造が採用されるに至ったわけだが


姫様はジャッキアップされている状態でも永遠亭に居続けるつもりなのか。
早く外へ出ろ。