□月 ●日  No1747 八雲商事とギャンブル


朝、食べるものがないことに気づいて買い物に出かけているとき
ふとパチンコ屋に並んでいる人に視線を移したら北白河がいたが
声を掛けずに帰ってきた。 流石にあのシチュエーションで声を掛けづらい。


岡崎の話では何かの時間潰しのためにパチンコ屋に居るときが多いらしい。
必要な金額しか掛けておらず、収支としては黒字にも赤字にもなっていないらしい。
収支リストを作っているところは流石は北白河といったところのようだ。


八雲商事の妖怪たちは基本的にパチンコ屋などに行くことはない。
存在自体がゴト行為といっても過言ではないからだ。特に冴月の能力は能力自体が
殆ど不正の固まりみたいなものだ。


八雲商事の面子のように妖怪でありながら給料を貰って納税している存在なら
別に大きな問題ではない。しかしここには食いっぱぐれの妖怪たちも居る。
彼らに対抗するために業界が取った方法は公権力の人間を受け入れることだったと
聞いたことがある。 
彼らもまた妖怪たちの犯罪には手を焼いており、情報交換しやすい
この業界と癒着するのにはメリットがあったと言うことだろう。


ちなみに北白河はまだ顕界に来て間もない頃の朝倉をパチンコ屋に連れて行こうとしたが
すぐに追い出されたと言っていた。おそらく霊能局から要注意人物として
すでにマークされていたということなのだろう。
朝倉自身もパチンコ屋はあまり良い印象を持っていないらしく、五月蠅い臭いと
愚痴っていた。


ちなみに魂魄はパチンコのルールがよく分からない上、スロットマシンの
調整に即気がついて行かないことにしたらしい。
正しい判断と言えば正しい判断だとは思う。


私はと言うと、個人的にパチンコ屋には出入りしない。
理由は朝倉に近いがそれはそれってことで。