□月 ●日  No1775 せめて芳香らしく


八雲商事の連中もスポーツ観戦するのだがそれが深夜枠になると何故か会社に集まって
観る奴が続出する。
基本的に会社が24時間休まない会社であり、大きなテレビと休憩室があるためであるが
そこがある意味魔窟となっているところが恐ろしいというか素晴らしい。
出社するときはそこからシャワーを浴びて出勤する。


朝、会社に出たら休憩室が酒臭く、事務所は妙な臭気と何とも言えない湿気に包まれていた。
つまるところ連中がシャワーを浴びたからに他ならず、少し温度を上げていたことも相まって
このような雰囲気になったのだろう。


皆のお目当ては勝ったと聞いていたので、酒の缶が大量に転がっている。
まだ、シフト1始業時刻まで30分あるためか北白河と浅間がせっせと
休憩室を片付けている。一方で、岡崎が朝食の代わりなのかポテチを頬張っていた。
たぶん酒のつまみを朝食にしているのだろうと予想。


朝倉、いびきをかいて寝ている。その寝相たるやまるで中年の疲れたおっさんの如く。
なぜネクタイを額に巻いているのかは不明。
とりあえず携帯電話のカメラに収めておく。何かの役に立つかもしれない。


そんなことをしていたら北白河から朝倉を起こすよう促される。
近づくとかなりきつい臭気が見舞う。酒臭い。
それでも無理矢理揺するとまるでゾンビが攻撃をしたかのような吐瀉物攻撃が
放出された。避けきれるわけがなく服に掛かる。
流石に悲鳴をあげてしまった。 恥ずかしい。


その声に反応したのか恐らく吐いてすっきりしたのか朝倉起床。
吐瀉物を必死に片付ける北白河。 額のネクタイがめがねの上に掛かって
必死にもがく朝倉。 私はこの毒物を洗浄すべく一路トイレへ。
くそったれ。こんなことをするのはホラー映画のモンスターくらいだろう。
ああ、そのホラー映画の住民でした。


結局酸っぱいにおいが付いた状態で始業。
二人の活躍で休憩室は片づいたものの、岡崎が触ったものに大量の油が
付着していたことを伝えておく。 朝倉は午前中医務室に行っていたが
午後は姫ちゃんこと閻魔様の臨時お仕置き部屋に搬送された。
南無〜。