□月 ●日  No1850 耳栓はS○NY製


とりあえず、復活した仙人もどきを放置して一路奥へ。
スタッフがあらかじめ片付けているため、結構綺麗にまとまっている。
ところどころに工事跡があるのはご愛敬だ。
弾幕ごっこをここでやってもそこそこは耐えられそうな雰囲気だ。


同行している綿月依姫にそのことを話すと、よく知っているわねと言われた。
ああ、やっぱりここでドンパチするわけね。


綿月依姫に言わせると、ここにいる仙人もどきや今度復活するとかいう人に対して
起こす処理の段階でそのプロセスを"故意に"一段階飛ばして行っているという。
現状で不完全な起床状態というわけだ。
最終的なプロセスは、博麗の巫女あたりにやらせたいという。それだけの実力もあるという。
術が完成した暁には彼女たちは相応の報いを受けることになるらしい。


今回の件に先だって色々な装備やソフトウェアが手に入った。
いずれも対精神攻撃用のものだというのだが、要はある行為に対する妨害装置なのだという。
さらに自分を月の都の人間だと偽るようにも言われた。仮に外の世界のことを読まれても
相手はそれが月の都であることを疑いはしないだろうという。


で、とうとうその人物は復活?したのだが、結論から言えば痩せこけている。
それも酷く病的だ。胸のあたりは骨まで見えている。 冗談ではない。
服を着させてどうにかこうにか体面は繕ったがそれでも病的な姿には代わりがない。
大至急処置を行う必要があるようだ。


その人物、自分は聖徳王だと名乗っているが、とりあえず名前は保留しておくことにする。
月の都の住人だと名乗ると、しばらく目を閉じた後、嘘は言ってないと言われた。
考えてみれば自分自身何度も月の都に行っているのでそれなりにあの場所のイメージが
できているともいう。


何か、薬でも用意した方が良いのではと尋ねると、その必要はないと言われた。
むしろこの体調の方が目的を達成するには十分だと言われた。
この意味がわかるのはしばらく後になりそうだ。
ちなみに真っ先に処置をうけたあの仙人もどきは、術のプロセスを完全に忘れているといって
頭を抱えていた。


とりあえず、綿月依姫から渡された品々を献上。開けたらただのヘッドホン型耳栓だった。
ノイズキャンセリングと書いてあり某有名電気会社のロゴが書いてあったのを「和」のラベルで
隠すというかなり豪気な代物である。
掛けて貰って開口一番、「これは素晴らしい、ありがとう」と言われた。
とりあえず気に入って貰って何よりである。