□月 ●日  No1870 異文化コミュニケーション


聖徳王は仰った ここは魔法使いしかおらぬのかと。
分かっていたのだが、彼女たちには幻想郷の世界すらあり得ない未来世界である。
食べ物から、生活空間まで彼女たちにはあり得ない世界であった。
まず畳からして彼女たちの驚きはかなりのものだった。 彼女たちの世界では
ただのゴザだったから、その驚きたるやかなりのものだ。


食い物に関しても大騒ぎだ。まず毒味を要求してくる。お前は一度死んだのだから
特に毒に関してどうかなんてどうでも良いことだと思うのだが。
そして食べた後にまた大騒ぎする。持ってきたのはただのかりんとうなのだが。
もはや子供と同じである。


逆に恐怖を感じて閉じこもっているのが、便宜上の奥方であるのだが、こちらは
突然飛来した弾幕が命中しそうになって外に出るのを恐れている有様である。
何人かで行けば問題ないが一人で外に出るのは怖いのはなんとなくわかる。
こっちにはGPSと警報機があるからまだ大丈夫だが、弾幕ごっこはやっぱり
公害以外のなにものでもない。


冬が近づいた昨今では暖房器具でいちいち騒ぐことになった。
そもそも彼女たちが生きた時代に満足な暖房器具がなかった。
換気関連技術が未発達だったためだ。
部屋が暖かいということで連中は大騒ぎした。


というわけで3馬鹿に関してはいちいち騒ぐので最近は新しいものを
持ってくることそのものが快感だという社員も居るようだ。
しかしそれでも顕界のものを持ってくるのはまだ憚れる。
多分連中は確実に失神するだろう。 幻想郷住民ですら大騒ぎなのだから。