□月 ●日  No1990 ダイナミック社長


隙間妖怪について書いてみる。
朝倉が未だに対応できていない能力であり、未だに謎が多い。
能力としてはかなり汎用的であり、一見すると物質転送系にも見えるが他にも利用できる点で
エミュレート処理を困難にしているのだとか。
もちろん朝倉の隙間妖怪姿なんて見た日はショックで数日は寝込むことは確実であり
ホラー以外の何者でもないので割愛。


会社の在庫を勝手に使う場合があり、この件については本気で頭が痛い。
最近はチップタイプのタグを貼り付け、一定時間ごとに走査するという月面由来の技術を
用いて勝手な利用を防いでいるがコンテナの中身に直接アクセスされるとどうしようもない。


もちろん、最近はある程度節度をもって行動してくれるので極端な問題にはなりにくいが
それでも色々面倒な人物だ。
たとえば、今までは在庫の灯油を使っていたが、今ではポリタンクに入っている灯油を使う。
一応油の種類を覚えたので、顕界で移動中に乗用車に灯油を入れるダイナミック給油は
激減した。 
彼女の名誉のために理由を述べると、乗り物に擬態できる便利妖怪 霊能局の草蓮とかいう妖怪が
灯油ばかり呑んでいるからである。 ジェットエンジンへの転用もあるのでそういう使い方なのだろうが
迷惑すぎる。


隙間妖怪は一応会社のCEOである。が、写真では彼女の尊顔を見ることはできない。
だいたいは彼女の有能な秘書がCEOの振りをして外部と接している。
たまに変な秘書が反抗すると素早く幻想郷送りされる。知識もなにもない人間があそこに
送られると自分の過ちを認めるかその前にのたれ死ぬが、実際のところは過ちを認めたところで
どうにかなるわけではない。


そんなわけで、会う人によって体型が変わるこの妖怪に手を焼いている次第なのである。