□月 ●日  No2215 蒸着


朝倉理香子は僅か0.05秒でコスプレを完了する。
では実際のプロセスを見てみよう。


朝倉理香子が「メインシステムエミュレート」と叫び、端末のプログラム実行を行う。
外部からの衝撃波 光波 電磁波の遮断処理。実行を妨げる要因の排除。スペルカード実行時に発動する緊急回避用のプログラムを実行する。


バイオリズムスタビライザが彼女の体調、状態に合わせ彼女の状況を一定に保つ。
露出度の高い部分で必要な処理が不足している部分の処理を行う。
この際彼女の体は光ることはない。光ることで消耗するエネルギーは節約されるべきと考える。
スペルカード内のOSより弾幕プログラムの代用として衣服が転送される。
先行で上着 次に下着が適用される。
(外観だけの変更ならこの地点でプログラムは完了する)


コスプレ先の魔術源泉に合わせたカーネルプログラムが起動する
CONFIG.SYSよりHIMEM.SYSが読み込まれ実行される。これは通常使われない大型魔術を実行するためのメモリ領域を確保するためである。
服装の着用と同時にベルト面が締められる。バイオリズムスタビライザが取得したパラメータに合わせベルトの締め付け度合いが適宜修正される。
HIMEM.SYSで確保されたメモリ領域にコスプレ対象の妖怪のプログラム読み出し。


妖怪の肉体的特徴のフェッチ。聖白蓮に用いられる肉体強化テクノロジの実行。
(これは具体的な戦闘能力向上よりもその後用いられる術式により怪我等が発生するのを防ぐ役割を果たす。)
体組織の補正、アドレナリンの投与など、脳神経挙動の最適化を行う。
魔術による仮想呼吸器の構築。妖怪が持つ気嚢システムを仮想的に再現する。


スペルカードを仮想実行するためのUIプログラム読み出し。
弾幕プログラムに合わせた基本武装を転送し、装備される。装備位置はベルトなどの締め付け位置より算出。
各種ドライバーの読み込み。 スペルカード実行に必要な魔術プログラムを起動するためのドライバーを転送。


常駐プログラムを起動。HIMEM.SYSにすべてを読み込むのではなく機能面で衝突が起こるプログラムは、朝倉理香子に常駐する魔術プログラムを利用する。
朝倉理香子に付随している常駐プログラムにフェッチ処理。
外観に関するすべての転送処理が完了、朝倉理香子決めポーズ開始。


常駐プログラムと機能衝突回避のため、実装される衣服が完全に再現がなされない。