□月 ●日  No2087 顕界にある幻想郷


結界の外の世界 すなわち顕界にあって幻想郷とあまり変わらない事態になっているところがある。
それはすなわち米帝のことだ。
一見すると、幻想も何もあったものではない世界に見える。
しかし、この国は常に宗教とかオカルトに塗れている。しかも彼らは一定の政治団体と化しており
国政にも影響を与えていると来ている。 
どこかと戦争をやっているなと思ったら、実態は宗教戦争でしたなんてこともざらだ。


米帝は人種のるつぼとは良く言ったものだが近代化に成功した妖怪の巣窟でもある。
言うなればこの国自体が一種の幻想郷だ。八雲商事が見ている幻想郷と大いに違うのは
ここが資源も出ると言うことだ。 そしてその資源に妖怪達もしっかりパラサイトしている。
妖怪によってはこの土地があまり住み心地の良くない場所であることは間違いないようだ。
禁酒法の時にたくさんの妖怪が幻想郷へと移住したが、現在も似たような状況は続いている。


そもそもこの国で資源が取れることが分かったときから、幻想の世界は始まったという。
通常なら資源を元にした石油産業が幻想を駆逐するはずなのだが
実際にはそうならなかった。 起こったのは格差だったが、格差を埋める手段として用いられたのが
宗教と幻想だったわけだからたまらない。


なにしろ、この国では妖怪はヒーローになれる。以前も取り上げたが全身タイツさえ着れば
とりあえずヒーローとして自警行為に参加できるという。
最近は活動してもあまり違和感を感じて貰えないらしく、それはそれで悩みの種だそうだ。
中にはサイン塗れになるものもいるし、それなりに稼いでいる者もいる。


そんなわけでありまして、顕界にいながら幻想郷にいる気分を味わいたいのなら
是非米帝に暮らしていただければと。最近の顕界の妖怪にはそういう話をするのです
はい。