幻想郷で水質汚染案件が発生。
スタッフの顔が真っ青になり、関係者が集められる。
幻想郷で水質汚染が発生した場合、幾つかの妖怪に影響が出るが、
一番厄介なのは何か危険な妖怪の怒りをかうことである。そうなると、鎮めるのは容易なこっちゃない。
急遽、浄水器を搭載した汚染浄化列車を派遣する。
元々は河童たちが自分たちの棲家を確保するために作り上げた代物だ。
顕界のテクノロジが余すことなく投入されている。と言っても入っているのは活性炭の類だ。
昔から河童たちは生活の知恵で竹炭を棲家に置く風習があるらしい。
これも汚染浄化に有効なテクノロジだ。
列車を汚染域であるという玄武の沢につける。幸いにして線路が隣接しているので
処理は簡単だ。ホースを突っ込んで汚染処理を行う。
今回の汚染内容は魚毒性が高い物質であるという。
人間には概ね無害だが水棲生物や妖怪には致命的ダメージを与える可能性があるようだ。
作業中、機械の数台がダウンする。
許容量オーバーとありカートリッジ交換を促される。
こちらは原因の特定だ。すでに河童達はシロであることがわかっている。
デストロイヤーどものせいも疑ったがどうも違うらしい。
結局原因は、わからずじまいであるが、隙間妖怪はちょっとした心当たりがあるらしい。
それは忘れられたドラム缶の類だそうだ。法律改正で使えなくなった化学物質が幻想入りと称して
幻想郷にはいってしまうという現象だ。追跡困難で水際防止が難しいらしい。
汚染度を調べる機器を利用して、上流まで歩みを続けたら案の定ドラム缶が大量にみつかった。ご丁寧に産廃業者付きである。
これには思わず笑いがこみあげる。
その後この産廃業者がどうなったのかはわからないが碌なことになっていないことだけは間違いないと思う。