□月 ●日  No2208 新しい知識


幻想郷で一番厄介なのは知識をどうやって送り込むかであります。
たとえば顕界の書籍をこちらに送る際にも基礎的学問がなければ本当にちんぷんかんぷんになります。
幻想の世界だから人間は昔ながらの生活をすべきであるという主張をする人もいますが、その人がいう昔ながらの生活というのは
実は顕界のテクノロジに塗れているなんてことは往々にしてあります。
意外と自分の生活の基盤となるテクノロジについて無自覚な人は数多いです。


昔の生活をすれば、自然は破壊されないという幻想を抱く人もいますが、はっきり言いますと人間が畑を耕す地点で
広義では自然破壊です。意外とその点が解ってない。ただのノスタルジーだと一笑に付す妖怪は数多くいます。
だからでしょうか、長く生きている妖怪たちは意外と外の世界の知識に貪欲だったりします。
多くの場合はラジオを利用している人が多いようですね。


幻想郷と顕界の情報格差は意外とシャレになってません。
特に環境破壊に関する知識というのは古いから良いとは限りません。
幻想郷当時の科学知識のままなら山は簡単に禿山になります。
計画的にどうこうというわけではないです。


妖怪だから知恵があるというのも半分本当で半分嘘です。
やはり集合知には敵わないというのが知恵者の妖怪たち共通の見解です。
幻想郷にいると自分たちが立脚しているテクノロジというものがいかに大切なものかを
再確認することになります。


顕界だってみんなが思っているほど知識が出回っているわけじゃないですしね。