□月 ●日  No2178 どつきあい 宇宙(そら)


最近、朝倉にモーションをかけてくる若いというか学生の子がいるのだそうで。
外見も悪くないということでそれなら春の到来。さっそくツバメを確保せよって話をしたら、話はそう単純じゃなかったようで。


何と朝倉に催眠術をかけてくるらしい。なんという勇者というか、アホというか、そんなことをしなくても飢えた獣に
肉ぶら下げるようなものなのに、この馬鹿は何を考えたのか屈服させようとしているらしい。次世代のコミュ障と思われる。
このような現象は枚挙にいとまがない。自分だけが特別な力を持っていると勘違いして、誰かに行使したくて仕方ない奴だ。
この手の人間は大体もっと大きなものに取り込まれるのが常で、最後は大方鉄砲玉になってしまうことが多い。
その前に人生の師に会うことができれば話は別であろう。


しかしその少年はそういう訓練を受けているわけではないらしい。
加減はある程度できるが、いかんせん品がないと朝倉は思っている。
しかも、力を行使しても効果がないように見えると、彼はより一層彼女への思慕を深めていった。
そんなことよりラブレター出せば一発なのにね。
その代り根こそぎ色々奪われると思いますが。


それで、今日彼女の服が若干ほつれているのを見て何が起こったのかと尋ねると、
ついに強姦まがいなことをしたのだそうで。死亡フラグ専門の触手とかまで出して彼女を拘束しようとしたのだとか。
もちろん、あっという間に脱出して、男の子を顔を避けてボコった後道端に放置したのだという。


それならさっさと身をゆだねればいいんじゃねと言ったら、朝倉はぽんと手をたたいた。
「その手があったか」と


結局、その男の子は見つかることはなかった。
あとで小兎姫のルートで調べたら、朝倉からも聞かれていた後だそうで、私にだけこっそり教えられた話だと
すっかりトラウマになって、引きこもるようになったのだという。
おまけにやりすぎて病気にもなったのだそうで現在病院で治療中とのこと。


朝倉の「しまったー」という声がこだまする。