□月 ●日  No2210 言葉の進歩に想う


幻想世界においていろいろと問題となるのが言葉の問題である。
幻想郷が顕界と別れた時、どうやって記録を残すのか、どのようなフォーマットを用いるのかで
大問題になった。 実は幻想郷が顕界と別れるときに日本語において大きな転換点が発生していた。
状況をまるで写実的に書くという方式が流行りだし、市民権を得ようとしていたのである。


通常ならば幻想郷は過去の技術や過去の風景などを保存したほうが都合がいいという観点であるが
当時文学に嵌りまくっていた上白沢によってそれがあっさりと崩壊したというのが今回の話である。


写実的に文面をかくというのは各方面に色々な衝撃を与えたが特に衝撃を与えたのは実はスペルカードの
原型文法である。我々が普段書いている写実的な文章。たとえば外はすっきりと晴れ渡り心地よい風が
そよそよと吹いているという言葉は幻想郷が分離した時に成り立ったものだ。
同じようにスペルカードの文法を記述すれば、言葉があまりわからない妖怪たちにも素直に文面が
書けるのではないか。 文面さえかければそこから魔法の言葉に翻訳するのは容易いと考えるまで
そう時間はかからなかっただろう。


三馬鹿や大師様が復活した時、この辺の説明をするのにかなりの時間と資源を費やしたという。
大師様への説明手段を三馬鹿たちに投入したというのが実際のところだ。
両社とも目をむいて驚いたという。 言葉がここまで進歩した事実に驚きを隠せなかったというところか。
文化人である両社が速攻この写実的記述法に嵌ったのは言うまでもなく、数日のトレーニングで
あっという間に書き方を覚えたのは驚きを隠せなかった。


ここでポイントになるのは、幻想郷と言えど過去を保存しないといけない謂れは全くないということだ。
合理的とあらば意外と前のものをパージするのが幻想郷である。
その事実に気づけば幻想郷がただのインフラが弱いただの一地域だと分かってもらえるのではないだろうか