□月 ●日  No2347 遠隔操作


昔から何かを操る魔法というのは色々研究されてはいるのだが、
大体は上手くいかないし成功しても術者の精神が吹き飛ぶって話。


地霊殿の主人の話によればこの手の傀儡の術の類はとても難易度が高いのだそうだ。
ハッキリ言えば立場などを利用したり、心酔させたりして自分の思い通りに動かした方が
何倍もリスクが少ないのだという。
そもそも。まずやっていることがほぼ読心術と同じになる。
自分の都合よく動かそうとすれば当然接続範囲も大きく増えることになる。
接続範囲は痛覚とかその点だが、接続に失敗したら術者が変なものを抱きかかえる羽目になる。


人形遣いのアリスはこの点とてもリスクの少ない方法をとっている。
いわゆるワイヤードというもので、あくまでワイヤードの範囲でしか行動できないよう制約を
とるというものだ。彼女の魔力は朝倉も評価するところであるのだが、その彼女をもってしても
他人を操るのはこの辺が限界なのだという。
たとえば、彼女が操る人形が空を飛ぶのもその辺に起因する。
空を飛ばずに重力の要素を加えると複雑度が飛躍的に増す。
地面との設置処理はインバースキネマティクスと言われるが、実際には条件がとても複雑かつ
重心の問題もあり、さらに体を支える筋力の問題もあるという状態であり。
彼女とて制御には限界があるのである。


催眠術という選択肢も結構有効ではあるが、こちらも失敗した場合のペナルティが
大きい仕組みなのだという。大体の場合は錯視などもセットで用いて行うが
いずれにしてもコストが半端ない。コインを見せて催眠術が使えるのなら
ハッキリ言って自分も使いたいしもっと妖怪の動きを制御しやすくなるだろう。
催眠を使うくらいなら契約で縛った方がまだ効果が高い。


そんなわけで幻想郷で犯罪を犯したとき何者かに操られたというやつは概ね素人認定されるので
そこのところよろしくお願いいたします。