□月 ●日  No2363 預かり品棚卸


そろそろ決算が近いのであちこちに預けた品々の確認作業に追われています。
それで香霖堂やら解読屋の店に預けているものを確認して回っているという
次第であります。確認が終わったら書類にハンコを押してもらって
終了という流れです。


香霖は割と単純で、うちから預けているものを下手に弄ろうとはしません。
使い方がわかる外の世界の便利なものは自分で使おうとするからです。
故に、ここにあるものは割と安全だったりします。
八雲商事が手におえない代物の保管に郊外にある香霖堂を利用するのも
彼の性格を理解してのことですが、実のところ彼を紹介したのは霧雨店の
主人だったりします。昔は霧雨店でこの手のヤバいものは預かっていたのですが
現在では香霖堂に移転しています。本人は感謝していますが、私は体のいい
厄介払いなのではないかと疑っています。
二人の交流はきちんと続いているので霧雨のご息女の話もたぶんあっちには
伝わっているのではないかと思います。


問題は解読屋の店です。こいつが最悪なのは自分でその書籍の効能を
知るや秘匿する癖があるということです。
ハッキリ言って解読屋としては最悪なのですが、だいたい事故を起こして
そのあとで懲りるパターンを繰り返しているので、こちらとしては
彼女の周りで起こる現象を確認することで、預け賃とするという
ゲスいことが起こっている次第であります。
というわけで百鬼夜行の本とかもうちの設備ですので勝手に売るのは
やめてください。もっとも狸が見かねて買い取ってくれるという話も
出ましたが、とりあえず大丈夫ということです。