□月 ●日  No2371 幻想世界の医療事情


幻想郷でいろいろ大変なのはなんといっても外科医療だ。
なにしろ十分なほど清潔ではないし、そもそもノウハウも足りない。
顕界だったら外科手術でなんとかなることでも幻想郷では確実に助からない。
月兎がある程度の外科医療のノウハウを持つと言うが、彼女の場合は
兵隊が利用できるいわゆる野戦病院のノウハウである。これ以上の何かを
求めるのは聊か酷というものだ。


八雲商事社員の場合、手っ取り早く中有の道から回収された方が
まだマシとまで言われる。それはそれでどうかと思うのだが


外科医療で有名と言えば河童の治療法も結構有名である。
重度のやけど、または皮膚の損傷に対するノウハウはかなりのものだ。
これは水棲生物である河童たちが自分たちを守るために必死に編み出した
ノウハウだと言われている。最近では人間の水準まで肌の強化が
できるようになったので、余った薬を売るようになったのだ。


河童たちが謎の発明をしていることが多いが、この原資の一つが
この薬というわけである。どういう代物かはわからないが
人間でも有効なこの塗り薬は傷が化膿するのを防ぎ、
肌の再生を促すものだと言うことがわかっている。


とはいえ、幻想郷できちんとした外科医療を求めるには
ぶっちゃけ八雲商事内部にある医者に行くしかなく
割とたいへんかつ面倒な手続きをしないといけないのである。