□月 ●日  No3013 警告も役に立って無く


 これは妖怪のせいじゃないだろう案件
 昔田んぼだった土地に家が建った。最近では昔の航空写真を取り寄せることなんて
 金もかけずに造作もなくできるのだが、ここの家を買ったのはそれだけの知恵がなかったと
 いうことなのだろう。恐ろしい話だ。
 案の定地盤沈下が起こった。杭を打っていればというが、それでも限界というものはあるようだ。

 
 寧ろ問題は住んでいる人が半ば妖怪と化したことだろう。
 近くにあった地蔵を壊していたが、そいつはこの土地が地盤が弱いことを示す
 鎮魂の石碑だ馬鹿者って言いたくなった。

 
 周囲に当たる人間もいたようだが、結局警察案件に変えてお持ち帰りしてもらった。
 埋めたてられた土地神とやらもいい迷惑だったに違いない。
 実は少し掘り進むと、木が埋められていたとか、しかもご丁寧にスウェーデン式ボーリング
 は比較的良好なところに穴を開けるように指定していたらしい。


 つまり、固いところと弱いところが混在していたために被害が拡大したわけだ。
 最悪すぎる話だ。
 結局、依頼者のために個々が呪われた土地ではないことは証明したものの


 それによって依頼人の訴訟リスクが上がるだろうが私には知ったことではない。