□月 ●日 No4614
寝坊したっ
昨日理香子と終電間際まで呑んだところまでは覚えている。
そのあと自宅で宅飲み始めたところまでも問題ない…
理香子が置手紙と朝食を用意していたのがまだ救いか。
いやっだめだ。どう見ても遅刻確実。 かくなる上は。
職場までは間に合った。
がばれた。私の切り札使用がばれた。
戦闘中くらいにしか使用しないが移動に使うのは
初めてではない。だけど使いどころはここじゃない。
だって仕方がないじゃないの。
でもあいつはどうやって私がずるをしたってわかったのかしら。
あいつとは私のボスのことだ。マルハチのボスとはわけが違う。
かつては昼行燈とまで言われた男だがそれは世を忍ぶ仮の姿であると
皆は知っている。
人と人でないモノの境界を越えたモノであることも知っている。
櫻崎が私の耳元で囁いた。
「痕跡分かるみたいですよ。彼も使ってますから。」
あんのおっさん。