□月 ●日 No4667 脱毛妖怪
私はその怪物をムダ毛処理のエキスパートと解釈した。
相手がかなり困惑しているようだが、こっちは商売である。
どんな手段を使っても彼をスカウトするのです。
そもそも彼の能力は才能であり、決して呪いではありません。
頭に作用しなければムダ毛処理
さらに河童の皿にちょこんと飛び出るムダ毛もきちんと処理
できるようなのです。
彼は抵抗するために私の髪の毛を狙っていますが、その辺の対応は
万全です。なぜなら頭を狙うのは妖怪変化では割と当たり前だからです。
さて、目標の困惑をよそに、ギャラの提示を行います。
住宅手当付き、交通費支給、各種福利厚生完備です。
彼の能力を埋もれさせてはなりません。
というか商売に目覚めたら絶対売れっ子になっています。
その手の妖怪は数多く見ています。
彼らが売れっ子になってたくさんの金を稼ぐ前に青田買いをするのです。
さあ、うちの会社で一緒に儲けましょうと言ったら、
相手が青白い光をたたえて消滅してしまいました。
しまったと思った時には遅い。
友人には除霊成功と捉えられましたが私の内心は修羅場です。
自分の才能を認めてもらえたことで満足したことが原因だと思いますが
実に勿体ないことをしたものです。
おかげで友人からお前が一番たちが悪いと言われました。