■月 ●日  No4878

 顕界で異変が発生したことで、飲み屋が暇になっていると聞いて、
 これなら、ちょっと長話してもいいかなと思って甘粕に連絡を取ってみたら
 ちょうどいいところに連絡をかけてきたと言われた後、なぜか忙しいから
 あとでとも言われた。
 顕界で起こった異変で暇なのではないのかと思っていただけに
 一体何が起こっているのだとボスに尋ねると、思いもよらぬ結果になっていた。

 顕界では疫病による異変が発生し、飲食店が暇になっていると言われている。
 だが、疫病の影響範囲は人間である。妖怪ではない。
 つまり、妖怪たちはいくら出かけても影響はない。 と思っている。
 それで、彼らは光学迷彩で出かけて黄昏酒場に殺到したのである。
 ほかのところはまともな接客ができないし、妖怪変化を可視化できるのは
 黄昏酒場の特権である。

 しかもいつの間にか浅間があっちで応援しているんだとか。
 あまりと言えば余りの事態に頭が痛くなってくる。
 あいつ一体何をやっているんだ。

 仕方なく、甘粕のやっている店に行ったら案の定混雑していた。
 もちろん普通のルートではない。
 我々が避難用に使用する地下通路を運用して入店している。

 そこにいたのは食べ物を運んでいる浅間の姿だった。アイツいつの間に。
 あと少し太ったか。おなか周りが少しだらしないような。