■月 ●日  No4880

 抵抗する浅間に当身をかまし、気絶している彼女を列車に乗せて
 病院に向かっている。舎弟が診察を代行するそうで、あの人形もだいぶ
 医療知識を学んでいるようである。
 人形を利用するとはなんと頭のいいことだろう。毒物に強いという
 あの人形は本当は病院に置くのは惜しいので、出来ればスカウトしたいと
 思っていた。固辞されてしまったが。

 浅間が目を覚ますとオールドスタイルのナース服を着た人形が出迎えてくれた。
 しかし浅間は新たな脅威とみなして戦闘態勢を取ろうとしている。
 人形はこれならたぶん大丈夫ではと笑いながら往なしている。

 顕界で発生している疫病のサンプルが手に入ればラッキーと思っていたらしい。
 ここまでくると呆れるしかない。結局彼女を隔離するかと思いきや
 ある程度効果が出るとされる薬を投入して対処するという。

 この後、甘粕にはすこしきつめに注意をすることにした。
 浅間の代わりに明羅くんが入って手伝っているが、よくOKしてくれたものだ。 
 私が心配しているのはこうした妖怪がさらなる病気の媒介をしてしまう
 現象である。つまり人間の姿をしているがゆえに突然変異を促してしまうのである。
 
 私のこの想像が確かならば、その後に起こる結末はやはりこれだろう。
 明羅が「有罪」というのを私は聞き逃さなかった。
 あとはこの場からどう脱出するかである。
 防衛システムをかいくぐり、あいつらはやってきた。
 漆黒の戦闘服に身を包んだ、霊能局の連中が殴り込みをかけてきた。
 まあ 自粛しろってことだな。 うん。