■月 ●日  No5169

 月面人にとって人間と言うのは月面人に見た目が近いだけのサルに
 すぎません。例えば拉致って薬の臨床試験用に実験動物扱いに
 してしまう程度にはアレです。これを踏まえたうえで、月面人が
 作った真のキルゾーンに入ってしまった人間がどうなるかなんて
 大体見当がつくってもんです。そこには非人道的な光景が
 繰り広げられていました。 
 
 まあ死んでなきゃいいんですね。脳みそが
 データを全部吸いだしていくのですが、このやり方はかなり
 見るに堪えないものであります。だいたいの人間が、自分の名前を
 連呼して一生懸命自分を保とうとしますが、最後は綺麗に吸い出され
 あとには何も残らない。いや、快楽だけが残るって感じです。
 
 もちろん情報は大したことがありません。
 大半はノイズであるといいますが、人間にとって大切なのは
 ノイズであります。これらの情報は月面人の構築した環境内で
 生き続けることができるそうですが、技術実装が、妖精相手に
 自分たちを保存しようとしたアレであり、基本的にさわってはいけない
 やつであることをまざまざと見せつけられるのです。

 すっかり吸い出されて、そこからレストアまでされた襲撃者ですが
 その後、普通に家に戻ったそうです。
 なお(以下略
 

 


     
            

 

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