■月 ●日  No5825
 
  一応八雲商事の本来の仕事は幻想郷という地域の輸送インフラ維持である。
 いくら魔法使いたい放題、でたらめな世界であっても実際には資源はいる。
 というかそもそも幻想郷は異世界ではないというのが共通認識だ。
 言っちまえば陸の孤島になっている隔離地域であり、一種の自治区だ。
 んで幻想郷を形作っているのは自治体だ。

  問題は幻想郷を維持するには先立つものがいるってことだ。もちろん
 幻想郷で産出できる資源類もあるが微々たるものである。しかしこの地区には
 ある特性がある。それは月面人と安全に取引できるってことだ。これを
 実質独占できているからこそなんとかなるのだ。
  というかですね、月面人は幻想郷の外 すなわち顕界を穢れているって
 認識しているんだよね。私に言わせれば五十歩百歩だよ。
  
  そんなわけで月面人から得られる資源や知的財産、顕界にいる
 妖怪たちのコネクションやお金が幻想郷を維持する資源である。
 
 さて、この幻想郷実は複数点在することがわかっている。
 問題は、多くの場合その場所は文字通りの人外魔境。ここみたいに
 人間の姿をしているわけではなく、ポータル近くでは小競り合いも起こっている。
 対抗するために軍事力を高めるところもある始末。
 
 それでもいえるのは、まあ何とかやってるってことである。