■月 ●日  No6018

 子供が妖怪やら幽霊とかを見やすいというのはかなり有名な話だ。これは単純に子供は物に対して
 見た儘を認識するためである。そのなかで本来見えないものも認識できてしまうケースがある。
 まあ、問題はですね、だいたいの場合そいつら無害だってことなんですが、無害だというのに
 駆除してくれって頼まれることが多いこと。ここ具合の悪い業者が加わるとかえってその建物の
 守り神まで祓ってしまうという間抜け事象が起こるわけです。
 
 まあ私の親戚でこういう話になりましてね。幽霊とかの専門家だから何とかしろって言われたんですが
 この人無害だし、基本いいことしかしないから問題ないよって言っても聞く耳持ちやしねえ。
 仕方がないのでしばらく大人しくするようにこの幽霊に伝わるキルリアン境界弾を投入。
 まあ言霊を載せるボイスレコーダーみたいなやつです。子供は音が認識できたらしく、ちょっと不快な
 顔してやがった。仕方ないだろ。

 で、この話なんですが、私から言えることはニンゲン都合がいいことがあると一気に態度が変わる
 ってことです。

 後日、親戚の家に行ったら、幽霊関連のグッズはみんななりを潜めてそれどころか、生活しやすいように
 マーカーを設置していました。なんだこりゃって思いましたが、なんでも空き巣を追い払ったとかなんとかで
 こいつはヒーローになっていました。子供は挙句、自分も死んだらこの幽霊のようになりたいというに至り
 なにをしたんだと部屋を見ていましたが、霊の動きを増幅して物理行動ができるようにしていたことが
 発覚。住民たちは物理で可視状態になれば怖くない理論だったようですが、これで空き巣を
 撃退できたわけです。

 おい、この幽霊ねえちゃんだぞ。しかも結構美人の。子供に向かってなんか色目使っていたのを
 俺は見逃さないぞ。