■月 ●日  No344 天知る地知る


幻想郷内に侵入者が現れたことを伝えるアラームが鳴り響く。
月ウサギが一匹紛れ込んで博麗神社に潜り込んだらしい。 
巫女にもしものことがあったら玄爺と冴月がいつでも
月ウサギを殺れるように待機していたようだが今回は待機後放置の流れらしい。
恐らくこの月ウサギがなにかしらの連絡または帰還したときにどのような
経路をたどるのかを探索する狙いがあるものと思われる。


永遠亭に物を運ぼうとしたら門前払いを食らってしまった。
会社から博麗神社に行っていた月ウサギが永遠亭に入ったという報告が来て成る程と思う。
永遠亭の喧噪は外からもわかる。 
仕方がないので香霖のところを先行で納品したら永遠亭に持っていく荷物を
自分の荷物と勘違いして「こんなに注文した覚えはない」と言われてしまった。
こんなに注文したら香霖堂はとっくに倒産している。


支社に戻ったらずいぶんと人が増えていた。 
里香女史に聞いたら研究員の数が増えたとのことだが概ねジジイばかりで
実用性がないと言っていた。
どういう実用性を期待していたのかは聞かないでおいた。
里香女史は「はやく月からの美男子の難民がやってこないかな」と月を
見上げながら呟いていた。
月の民もいい迷惑だろうなと思った