■月 ○日  No441 今年も冬服の季節がやってきた


うちの会社は幻想郷に絶えず物資を運ぶ仕事をしている。
今日は冬服の配達日である。 今年は例年よりも暖かかったから
注文がいつもより遅れたのだ。


よく冬に備えないのかと言われることもあるが、その点は問題ない。
秋姉妹の様子を見れば大体見当がつくのである。 秋祭りが終わり冬が
近くなるとだんだん元気がなくなってくるのだ。 
ただ単に眠くなっているだけとも言う。


博麗の巫女に渡す予定の冬服は香霖堂に納める。 どうせ博麗の巫女は
気に入った服を見つけたら持って行ってしまうから結果的にの納品しているのと
まったくかわらない。 むしろ衣服がきちんと保管される香霖堂に置いた方が
なにかと便利である。妖怪の助けも借りて灯油缶もいくつか運び入れた。 
これで冬支度はたぶん万全である。


香霖堂で妙な相談を受けた。 博麗の巫女が最近修行をしているらしい。
巫女が修行をするのは当然のことだと思うのだが、稽古をつけているのはあの
隙間妖怪とのこと。何かを企んでいるに違いないと言う。
私としては大体何が起こるのか見当がつくのでとりあえず大仰に頷くことにした。
確かに巫女はあまり修行をしなくて玄爺がたいそう苦労したという話は聞いたことがある。
勝手にやらせておけばいいとアドバイスしてこの場を去った。


例の神社の自称現人神はとりあえず元気のようだが、幻想郷の厳しい寒さを鑑みるに
真っ先に暖房器具をもっていかないといけないだろう。
また風邪でも引かれたらたまらない。
おねえさんがそろそろ乾布摩擦の時期がやってきたと言っていた。
そろそろそういう時期なのかと感じ入る。



自称現人神が「やめてください恥ずかしい」と言っていたが聞かなかったことにした。