△月 □日  No465 カミ様サミット 後始末編


八百万のカミが集まるという出雲大社 そこに深夜膨大な量の酒が運ばれている。
この時期になると臨時のトラック便を利用してお酒をピストン輸送するのだ
ここで何が行われているのか。 概ねどんちゃん騒ぎである。
酒飲んで美味しいものを食べて、同窓会でもやっているのではないかといった有様だ。
皆が難しい顔をして会議をするなんて風景ではないようである。
もっともこういう席で大切なことが決まることは人間も八百万のカミ様も同じらしい。


ボスがふらふらしながら帰ってきた。なんでもその宴会に参加していたらしい。
酩酊状態になって、そのままトイレに駆け込む。 北白河も水を注いだコップを
片手に一緒に駆け込んでいった。 とても珍しい光景である。
朝倉が、絡み酒系のカミ様相手だと大変だと漏らしていた。


いつものように幻想郷での仕事にはいると、例の神社のおねえさんと、里香女史が
言い争いをしている。 おねえさんが自称現人神に食べさせようと色々と
お土産を持ち込もうとしていたのだが、検疫部に取り上げられたようだ。
横には腕をもがれた戦車が黒煙を上げて沈黙していた。 


里香女史は何もかも杓子定規で物を考えるきらいがある。
博麗の巫女と初めて会ったときも、撤退する自分を巫女が追ってくると
思いこんで、すべてが終わった後に巫女と戦う羽目になったという経歴もある。


規制に引っかかっていたのは、食べ物を包んでいた容器であった。
発泡スチロールとアルミホイルに問題があるらしい。 そんな肝心なことを
説明せずに大騒ぎしたわけだ。 結局重箱に詰め替えたら問題ないようだ。


しかし、詰め替えようと中を見たら酒のつまみばかりだった。
誰が見ても自称現人神に食べさせるためとは思えない。 
無言でおねえさんを見つめたら目を背けて口笛を吹いている。
「やっぱり没収するか」と漏らしたら人の顔を引っ掴んで胸に押しつけてきた。
正直役得と思う前に息苦しさが先にきた。 


結局、ほとんど強引にねじ込む形でおねえさんが持参したおつまみ類は
無事神社へともたらされた。 こちらは酸欠で暫く頭痛が酷かった。
里香女史の後ろ姿がかなり悲しそうであった。