△月 □日  No494 隠されし呪詛


自称現人神と例の神社のおねえさんの話し相手になった時のこと
ちょっとした質問を受けた。 それは妖怪たちの会話の中に織り込まれる呪詛のことだ。
妖怪と話をする時にすぐには理解できないような格言や
謎の言葉を発する場合がある。 この言葉をなにも対抗措置なしに受けてしまうと
最悪命の危険にさらされることがある。


私は妖怪相手の商売をやっているが、実は常にサシで交渉ごとをしているわけではない。
会話内容は常に本社オペレーターによってモニタリングされる決まりとなっている。
これは妖怪たちの会話の中に呪詛が混じっていたとき適切なアドバイスを受けるためだ。
オペレーターは北白河だったり朝倉だったり岡崎だったりと様々だ。
妖怪たちとトラブルになったときにアドバイスを求めるときもこのオペレーターを
経由することになっている。


たとえばルーミアや白玉楼の御庭番などはちゃっかり呪詛を会話の中に取り入れてくるので
注意がいる。 「斬れないものはあまりない」という言葉も朝倉に言わせると
一種のエンチャント技法の一種らしい。


モニタリングができないときの交渉テクニックは、会話を成立させないことらしい。
交渉術に長ける者はそれをジョークに変えることができるが、逆に呪詛を強める
結果になりがちできわめて危険である。
小兎姫が妖怪と対峙するときに満足な会話になっていないのも結局は呪詛回避のためと
いってよい。


明羅女史ともなると、モニタリングなしでの交渉も可能だが
彼女の場合、実力行使も交渉の選択に入っているのであまり参考にならない。
実力行使できる奴がうらやましくして仕方ない時がある。
冴月はもっと合理的に先手必勝で会話になる前から狙撃してしまう。
えげつないがかなり有効な手段らしい。


おねえさんはこうした呪詛を全く受け付けない特殊能力があると
自称現人神から聞いた。 結界の外にいる八百万のカミがどうやって呪詛に対抗
しているのか気になっておねえさんに質問をぶつけたら、某匿名掲示板で「スルースキルを磨くこと」と
言われてコケた。 
また、工作員になって特定ゲーム機を叩くと訓練になるというのだが具体的にどうして良いか
わからない。