□月 ○日  No546 とある機関の人の手記


3勤ということでちょっと遅めの起床。 娘はすでに登校してしまったらしい。
昨日は深夜まで岩と睨めっこしていたためか頭が重い。
早い昼飯を食べて出社。朝からスパゲッティをたらふく食ったため胃がもたれる。


今日はメスゴリラの指揮下に入って行方不明のガキの捜索である。
こういった仕事は警察とか探偵にやらせればいいと思うのだがそうはいかないらしい。
今回の件も所謂神隠しがらみの案件のようだ。
行方不明者は3人。みな10歳くらいの糞ガキである。 
普通に考えれば、人さらいにでも遭ったのか程度の認識だろうが、そういうことを調べる
ところではないのが自分の職業の因果だと思う。


と、言ってもやることは基本的に聞き込み。
気分は刑事だが、とっても地味な仕事である
ただしこういう件は秘密基地絡みと相場が決まっている。
行方不明になったガキの兄貴分にハンバーガーを奢れば大体釣り上げることができる。
糞ガキどもが遊んでいる廃屋を特定できた。 順調な滑り出しだ。
マルハチに連絡して現在の結界配置図を送ってもらう。トレペに写して白地図の上にのせると
ドンピシャであった。 力が漏れ出している現場で間違いなさそうだ。


幻想郷と顕界の間には緩やかなしかし確かな結界で遮られていることは常識であるが
ある一定条件下で幻想郷の力が顕界に流れ込んでしまうケースが存在する。
そういった場所は通常、鳥居や社を建てて楔を打ち込んでしまうのが有効だが
それでも完全に防ぎきることはできない。
こうしたとき、真っ先に巻き込まれるのは決まって子供達だ。
いつの世も探検ごっこをして遊んでいる子供達は一定割合存在する。
こうした子供達が偶然力場を見つけてしまうととてもややこしいことになる。


教えて貰った秘密基地内にて、力場内の作用で宙に浮いて遊んでいる糞ガキ全員を発見。
子供達にとっては楽しい遊び場を見つけた気分なのだろう。 そこに疑問を持つ様子もなく
ただこの場を楽しんでいるように見える。
本人達にとっては数時間の遊びだろうがこちらでは3日経過しているので早急に保護した。
糞ガキどもが暴れて困るのだが致し方ない。
一応形式張った取り調べのあと糞ガキどもは親元へと帰された。とりあえず仕事は完了だ。


最近の子供は近所づきあいも減って探すのも難しくなってきた。
幻想郷が神隠しを警戒して大人数での遊びを半ば強制しているのとは大きな違いだ。
メスゴリラに報告書をあげて今日の任務は完了。 日付が変わる前に帰宅できそうなので
久々にかみさんに色々サービスしなければと考えている。
まずは半額になったお総菜の確保だ。