□月 ●日  No756 違う想像をされても困る話


この日記をつけ始めて避けていたことがある。
幻想郷では妖怪同士の共食いがあるということだ。
こんなことを書くと、概ね百合の世界が想像されてしまう。
だが、今回取り上げるのは本当に食べられてしまうという事実だ。


この場面を目撃してしまったときはすぐに
その場を離れないといけない。
少なくても食べる側も見られたくない状況だからだ。
巻き込まれて自分も補食されてはかなわない。


カードの作用で姿を隠し、音も隠してとにかくその場を離れる。
逃走はジグザグ移動でカバーポジションで後ろをしばしば振り返る。
普通のカバーポジションと違うのは上空からの襲撃も想定すること。
外の世界ならさっさと下水道に逃げるのも手だがそうはいかない。


勘違いされてはこまるのだが、人が人を喰うようなスプラッタな光景にはならない。
妖怪が本当に殺されてしまうときは人としての姿を保てなくなる。 
動物型妖怪なら本来の動物の姿に戻ってしまうというわけだ。
そして、別の動物が補完するように妖怪になる。
この辺のメカニズムがどうなっているのかはわからないのだが
恐らく現時点で一番霊力が大きな妖怪が代わりの存在になると思われる。
一応きちんとまるく収まるようだ。


それでもこの話を書きたくない理由は別にある。
妖怪が待ちきれないほどに注文を放置してしまったという意味でもあるからだ。
妖怪たちも食い扶持がなくなって切羽詰まってから注文してくるから
とても困るのである。
メイド長にみたいなマメな性格の人がいるとその辺がとても楽になる。


あんまり腹を空かせた妖怪に食べ物を渡すのはまさに命がけだ。
喰われないようにお祈りしないといけない。
もっとも朝倉は、妖怪は自分たちに危害を加えると食べ物が手に入らなくなることを知っているから
もっと強気に出て良いと言うのだがそれは対抗手段持つものの言葉だと思う。


今日のところは完全に播いた。
相手が気づかなかったのも勝因だろう。
朝倉に今日の出来事を報告したら、いつものことだから気にするなと言われた。
この光景は割と多く起こっているらしい。
ただ気分的にはあまりよいものでないので今日初めてここに書いた次第である。
お陰で少し気が楽になった。
もっとドライにならないといけないみたいだ。