□月 ●日  No888 かったるい


会社から、研修に出ろと言うお達しが来た。
所謂、管理者養成研修という代物だ。
2泊3日で施設に放り込まれて色々なことを学ぶらしい。
話によれば大きな声で反省を述べたり、暗記などをやるという。


朝倉に行くのが面倒だと泣き言を言ったら、
失敗しても命に関わらないから休み気分で行けばいいと言われた。
確かにそうだ。 


考えてみれば施設に放り込まれるのも幻想郷に放り込まれるのもシチュエーションは
あまり変わらないのではないだろうか。
ならばちょっとした気分転換に研修に出ると思えばいい。


自分のシフトを見る。
その日は紅魔館の受け持ちになっていた。
当然、この日は別の人が行くことになっている。


こいつは運が良い。


ボスが心配してどうしたのかと声をかけてくれた。
大丈夫です、研修は必ず行きますと答えた。
私の豹変にボスは目をぱちくりさせていたが、「がんばれよ」とエールを送ってくれた。
仕事を振られた同僚はものすごい声で泣いていた。
気持ちはよくわかる。


研修にかこつけて色々覚えるつもりだ。
何せ私の月収くらいは掛かっているそうだ。
折角なので妖怪相手にしゃべり倒せるスキルを身につけていきたいと思う。