前略 おふくろ様
この日記を読んでいる頃には既に私はこの世にいないでしょう。
でも悲しまないでください。
あなたの愚息は己の理想のために なんて言いたくなるような気分にさせられる日と言えば
今日起ったことを簡単に説明できるのではないだろうかと思う。
あの糞装備を覚えているだろうか。
閻魔様のM型装備だ。 わけのわからん魔法少女に変身して、火力を強化する代わりに
弱点だらけにする最悪のパワードスーツだ。
私は最初からふざけて作った代物だと思っていたが、実際は違っていたらしい。
北白河に言われて気づいた。
この糞アイテムが社長の命で作られていたのである。
まずこれだけははっきりしておきたい。
閻魔様と社長である隙間妖怪の体型は違いすぎる。
何故こんな事を書くのかって。
皆まで言うな。
つまりそういうことだ。
隙間妖怪は閻魔様が心底苦手である。
彼女の能力を超えるには彼女になりきり彼女の行動をシミュレーションするのが
有効なのである。 まあ理屈は判る。
とりあえず言える事はこの悍ましいコスプレスーツを
あの人が着用したららしいということだ。
そう言うことにしてくれ。 暫く悪夢が止まらないんだ。 トラウマになりそうだ。
このパワードスーツ本気で完成させるつもりなのだろうか。
物理防御力がゼロに近いのはこの際置いておいて、この裸より恥ずかしいデザインは
なんとかならないのだろうか。
魂魄はこのスーツが完成した暁には私も弾幕戦ができるということだが、
こんな衣服を着るくらいなら舌かみ切って死にたい。
どう見ても丸見えだろうと指摘したら朝倉がずっこけていた。
ちなみにこのスーツの開発費用はスペルカードをゼロからビルドする費用に匹敵する額だという。
まさに金の力でコスプレとはよくいったものだ。
