□月 ●日  No1091 幻想ロックフェス


一面に広がる向日葵の群生。 太陽の畑と言われるかなり危険地帯。
髑髏マークで現わすと四つくらいといったところか。 
現場の人間なら三つといったところ。 夢幻館所有の土地なので身内がいると
安全性が大分違うからである。 
エリーさんを伴って楽器の搬入。 毎年開かれる夏の音楽祭ということで
事前準備というわけである。 


向日葵の裏を見てみると妖精たちがどう動かすか最終調整の真っ最中であった。
音楽に合わせて向日葵が動く様はまさに圧巻である。
その姿を模した玩具が顕界で発売されたがあれも結構売れたと記憶している。
日の光に会わせて向日葵が動くと評判のこの地であるが、実は予行練習であることが
知られている。 決して驚かせようという意図があるわけではない。
むやみに驚かせようなんて考えれば風見女史のきついお仕置きが待っているからだ。


風見女史に差し入れ。 個人的にはおそるおそるの作業。
なぜかうちの社員に大人気。 あのきつい風貌がそそるものがあるとか言うのは
置いておいて、実は女性スタッフに人気がある。 明羅女史と同様できる女としての
人気であると思われる。 多分。


届いた楽器類 音響機器は妖精たちによって運ばれて奏者によってチューニングされる。
私が出る幕はない。 割と楽だ。
夜になればここでかなり激しい音楽が奏でられる。
クラシック系なら紅魔館でできる音楽会、ここでやるのは主にロックミュージックの類である。
風見女史の趣味なのかと思ったが、どうやら出来る場所を消去法で消していくと
ここが残ったというわけらしい。 たしかにここなら皆が陽気に演奏することができそうだ。
事情を知る身にとってはあまりいい気持ちはしないが。


夜になると出店がぽつぽつ出店される。
夜雀の動きが凄すぎる。 今日は流石にアルバイトを雇っているようだ。
かなりしんどいみたいで、出店の裏で栄養剤を発見した。 お疲れ様である。


夜になると素晴らしい演奏を聴くことができる。
なにが凄いのかって、今はお盆である。今は亡き天才ロックミュージシャンが
一堂に会するのだ。 幻想郷の人々は顕界で彼らが神と言われていることを知らない。
しかし化け物のようなオーラを感じることはできるようで、会場は超満員である。
彼らは広義の妖怪として受け止められているようである。


役得と言えば役得なのだが
録音装置を忘れたのでどう言い訳しようか思案中である。